Googleにおけるピアボーナス制度の導入事例とは?

働き方改革
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社内で承認と少額の報酬を与え合う「ピアボーナス」が、近年になって注目されるようになりました。
ピアボーナスが広く知られるようになったのは、「Googleが採用していたから」です。
Googleを参照にする形で、世界中にてピアボーナスが導入されました。
日本では「働き方改革」が始まった関係で、より注目されています。

本記事では、なぜGoogleがピアボーナスを選び、そしてどのように運用しているのか、詳しく解説します。
Googleの導入事例を確認すれば、新しいヒントが見つかるかもしれません。

なぜGoogleは、ピアボーナスを選んだのか?

Googleがピアボーナスを選んだ理由は、一言で言えば「組織開発において、チームワークを強めたかったから」です。
Googleは、「強いチームビルディングには、”心理的安全性が高い”ことが求められる」と考えています(Project Aristotleによる)。

Googleの心理的安全性とは、要するに「本来の自分自身をさらけ出し、素の状態で接することが可能である」ということ。
つまりピアボーナスで「本来の自分自身を、互いに承認しあう」という文化を作り、心理的安全性を高めているわけですね。
チームワークには心理的安全性が必要だという仮説が事実なら、ピアボーナス はとても理にかなった手段だと言えるでしょう。

Googleにおけるピアボーナスの導入事例

Googleにおけるピアボーナスは、一般的なケースと比較するとやや特殊です。
形式自体は特に変わりませんが、なんと1回のピアボーナスで150ドル(約16,000円)もの報酬が動きます。
Google社員の平均年収は高いとはいえ、本人たちにとっても決して小さい金額ではないでしょう。

一方で不正なピアボーナスの送付が行われないように、さまざまルールも適用されています。
たとえば、

  • 直属の関係にある上司と部下は、お互いピアボーナスを送付できない
  • 一度ピアボーナスを送ったら、その人には半年間、送れなくなる
  • 一度ピアボーナスを受け取ったら、送ってくれた人には半年間、ピアボーナスが送れないetc…

実に理に叶ったルールです。
ピアボーナスは、「適切なルールが定められていないと、悪意を持って報酬だけをかき集める人が出てくる」というようなデメリットをもたらす場合もあります。
しかしこのルール下では、「本当に会社やチームへ貢献する」という方法ででしか、ピアボーナスを受け取るチャンスは巡ってきません。

日本国内でもピアボーナス自体は注目され始めましたが、こういったルール設定については、まだまだ発展途上です。
Googleのルールを参考にすれば、ピアボーナスのメリットをより多く引き出せるかもしれません。
ルールについては、Quoraで詳しく触れられています(英文)。

Googleはピアボーナスで何を得たのか

ピアボーナスを導入したGoogleは、以下のような成果を得るに至りました。

  • 心理的安全性もたらされ、チームワークが向上して生産性が高くなった
  • 普段は目立たない部署の成果・評価が見えるようになった
  • 承認とボーナスによって、会社やチームへ貢献するというモチベーションを引き上げた
  • 上司だけではなく従業員からも評価されるようになり、新しい評価軸ができたetc…

というようにGoogleはピアボーナスによって、目論見どおりチームワークを高めています。
それ以外にも、承認されるべき社員の活躍が可視化され、「自分のやったことは承認されうる」と感じられる文化が形成されました。

「承認される」という体験は、150ドルのボーナスよりも遥かに重要です。
公開されているわけではないですが、こういった文化は、従業員満足度や従業員幸福度の向上にも影響しているでしょう。

まとめ

  • Googleはチームワークのために、ピアボーナスを導入した
  • Googleではピアボーナスを運用するために、合理的なルールを適用している

Googleは目論見どおりチームワークを高めていて、そのほかにもさまざまな利点を発見している

さすがに150ドルというボーナスの金額は、真似できないかもしれません。
しかしGoogleの定めて目的やルールからは、参照にできる部分があるはずです。

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